ワンポイント豆知識


プラスチック成型法


==高速成型について==

射出成型のサイクルは通常早くても、15〜20秒はかかりますが、当社では高速成型機の導入で、6秒前後で成型されます。尚、日本で現在一番早い機械では2秒前後で成型されています。ただし、高速成型用の金型が必要です。又、肉厚のある製品は、数分間かかります。 

==他のプラスチック成型法について==

その他の成型法としては、
〇圧縮成型→合成ゴムの吸盤・タイヤ・食器・はし
〇押し出し成型→塩ビのパイプ・水道管・プラスチックの屋根・典型押出成型・シート等
〇カレンダー成型→平面のもの・合成皮革など
〇吹き上げ成型(インフレーション)→ポリ袋・プラスチックのひも
〇スラッシュ・モールド→ソフト人形など

 


プラスチックの発明と歴史ー工業化への道ー


 工業的に製造された最も古いプラスチックは、1869年ハイアット兄弟によって発明されたセルロイドです。燃えやすいという欠点があるにもかかわらず、プラスチックとしての有用性から第二次世界大戦に至るまでプラスチック界の花形でした。(熱可塑性樹脂の仲間)

 1909年ベークランドによるベークライト(フェノール樹脂)合成の成功によって最初のプラスチックが誕生し、種々の用途が開拓されていきました。(熱硬化性樹脂の仲間)

 ここに、プラスチック製品としての二大要因(熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂)が確立されたことになります。

 続いて、1929年頃からセルロースアセテートと尿素樹脂が登場し、前者はセルロイドよりも、もえにくく、強く、同じ様に透明で着色にすぐれ、新分野を開拓していきました。その後、数々の新製品が生まれました。後者は、より熱に強く、不透明で、電気系統に対する絶縁性が強く、その特性をよく生かした用途を開発していきました。(例えば初期のラジオのツマミ、電球のソケット、電話器や薬品・化粧品のフタなど)。これからの、お話しは、前者(熱可塑性樹脂のグループ)の話しを中心にすすめていきます。

 第二次世界大戦以降における、石油化学工業の急激な発展と新しい開発により、プラスチック工業はきわめて多く、なかでも、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリスチレンは世界の三大汎用樹脂として現在、多量に生産されています。


プラスチック使用後の処理について


  毎日たくさんのプラスチック製品が作られていますが、みなさんが使ったプラスチックは、その後どうなっているのでしょうか?
残念ながら現在では、ほとんどがゴミとして始末されているのが現状です。
 しかし、ほかの資源、たとえば紙・ガラス・アルミ缶などは再生されて、又使うことができます。プラスチックは再生できないのでしょうか?いいえ、プラスチックも一部分では立派に再生され皆さんのために役だっています。
 例えば、農作物のハウス栽培などに大量に使用されるポリエチレンフィルムは、使用後回収され、U字溝・基礎杭などの建築資材。魚の住むための魚しょうやフォークリフトで荷物を運ぶ時に使う、パレットなどに再生利用されています。、又、プラスチックの成型過程で出る、不良品や不要品は、まとめて、再生することができます。当社では試みとして皆様にさしあげているペーパー・クリップや線引き定規などの小さなものを作っています。しかし、これらも本当にまだわずかな割合です。そして、理論的には燃料として、車を動かす事も可能なのです。
 では、生活ゴミとして、皆さんが家庭から出すゴミの中にまざったプラスチックはどうでしょうか?日本も含め、先進欧米各国では焼却の手段で処理されていますが、その中でプラスチックは、その性質の特性を生かし、ゴミ全部の助燃効果をフルに生かし、ゴミ焼却の燃料費をコストダウンさせる事に役だっています。又、700度以上では、おどろく事に、その臭気をも燃焼させてしまいます。又そのエネルギーを利用して、地域の家庭用給湯・暖房システムや温水プールの利用などが成されています。

 ゴミ処理というと、何かきたないイメージがありますが、例えばフランスでは、ゴミから得たエネルギーの40%が発電に、60%が地域の暖房に利用され、パリのゴミ処理担当官は、街は偉大な大油田であるとまでいいきっています。
又、イタリアでは、ゴミを選別して、飼料や肥料に利用したり、各国その国民性や地形などを利用して、上手なゴミ処理をおこなっています。

 プラスチックの回収と再生については、まだ多くの問題があります。それは、プラスチックと一口にいっても数多くの種類があり、そのひとつひとつの品質がわかりにくいためです。

 最近では、プラスチックの材質表示や、用途別商品(ペットボトル、食品トレーなど)の回収システムが出来上がり、リサイクル材として積極的に利用されています。

 トウモロコシなどを原料にした、バイオマス素材のプラスチックは、焼却せずに土に埋めても自然の力で炭酸ガスと水に分解されます。
 

 

 


プラスチックの化学的な成り立ちー高分子化反応ー


 《プラスチックとは・・・・》

 軽くて、じょうぶで、さびたりくさったりせず、しかも形や色などを自由に変えることができるので、生活のあらゆる所に利用されているプラスチックは、正しくは、プラスチックス(Plastics)といいます。

 広い意味では天然の樹脂と合成の樹脂に分かれますが、ふつうは合成樹脂のことをいいます。又、その中でも合成繊維やゴム製品は通常プラスチックには含みません。

 プラスチックは、古くは、せっかい石、石炭、木材、綿等を原料としていました。今では、石油の大量採掘のおかげで、石油を原料としてつくられるようになりました。(プラスチックを生産するために消費する石油は、国内全石油消費量の5.5%です。)

 近年では、石油に代わる原料として植物を原料に実用的なプラスチックを作る技術が進み、容器包装資材のほか、工業製品にも徐々に採用されてきています。

 


ー‘セルロイド’の原料とその仲間ー


 セルロイドの原料は、アルコール、パルプ、綿(硝化綿にかえる)、しょうのうをまぜて作った物質です。

 人間は数千年も前から、セルロース繊維を再配列させて紙やリンネルをつくる方法を知っていました。しかし、セロハン、セルロイド、フィルムといった物質をつくることを学んだのは、19世紀以後のことです。

 又、1884年フランスのシャルドンネは、蚕をまねてセルロースを化学的に処理し、最初の人造繊維であるレーヨンの一種を作りました。

 

 

 


ープラスチックの品質表示についてー


 わたくし達の会社で作るプラスチック製品には、できるかぎり
マークの他に工場の通産省認可番号と同時に品質表示を心がけています。
(尚、当社の通産省認可番号はPI-6010です。)

 マーク表示や通産省認可番号及び品質表示は、プラスチックが企業より社会に
出ていく時にもっていくパスポートのようなものですから、このパスポートは消費者の
みなさまに対して、製品の品質について責任を表明して、安心して使用していただくためのものです。

 環境公害問題は行政を中心として、資材メーカー、加工メーカー、製品ユーザー、そして生活する私達が一体となり、使用後の処理に真剣に取り組んでいかなければならない問題です。一時ほど、さわがれていませんが、それは各工場が基準を守って生産し明るく住み良い環境を守ろうとしているからです。なぜならば、これからもわたくし達人類が発明した便利な石油製品・プラスチックを生活の中に使っていかなければならないからです。何年も何十年も、そして何世紀にもわたって・・・・。

 

 


「くそうず」を知ってますか?


 今からおよそ1300年前の天智7年越の国(越後・今の新潟県)から‘燃える土燃える水
を天皇に献上したとの記録があります。
石油は古くから知られていました。石油という名称自体、江戸時代は‘くそうず
明治には‘石炭油’‘石脳油’と呼ばれていました。石油はこれらを短くしたもので、
明治の中頃に定着したといわれています。



プラスチック容器の特性と社会的使命
ープラスチックの利点ー


 わたくしたちの生活の中に深くかかわりあっているプラスチックには、次の様な秀れた特性があります。

 ・軽くて、丈夫です。
 ・加工が、かんたんで、大量生産ができます。
 ・耐触性や電気絶縁性が大変高い。
 ・光沢があり、着色が自由にできます。
 ・透明なものが作れます。
 ・素材に毒性がなく、工程からも衛生面に秀れています。
 ・他の素材に比べて、使いやすい価格です。
 ・資材の供給が安定しています。
 ・製造時に、おける資材の無駄が大変少ない。

 などが、あげられます。



梱包材料としてのプラスチックの利点


製品の輸送に必要な梱包時に、プラスチック容器は通常、段ボールに詰めるだけですみますが、瓶や陶器の場合は破損を防ぐために充分に梱包しなければなりません。
その結果、重量面、価格において、プラスチック容器の方が、より経済的にすぐれ、省資源にも役立っているわけです。



わが国におけるプラスチック工業の発展
ー葛飾地区とプラスチック産業(セルロイドからのあゆみ)ー


日本では、1908(明治41)年にセルロイドの生産が開始され、続いて1914(大正3)年にベークライトの工業的生産がはじまりました。
 さて、わたくしたちの生活している葛飾地区は、大正時代の初期から最近まで、プラスチックの花形であったセルロイドの国内有数の製造・加工の中心地であり、遠く海外まで、そのセルロイド製品を送り出していました。

 明治30年代中頃には、すでにセルロイドの原材料が国内に輸入され、葛飾区内でその加工がはじまっていました。初期の加工は、その多くがオモチャ製品で、その後、文具、雑貨、他工業部品も作られるようになり、現在に至るまで葛飾区の地場産業としてひきつがれています。

 東京都葛飾区四つ木は葛飾地区内におけるあらゆるプラスチックのさきがけ、
セルロイドのオモチャの発祥の地です。
今から約70年程前、大正の初期といえば、南葛飾群本田町大字四つ木は、周辺の篠原・渋江・木根川・川端の各町と共に、一口に四つ木と呼ばれ、広々とした田圃、蓮田が青々と拡がった田園平野でした。
ー今の西新小岩・東新小岩(東の一部をのそく)一帯は、上平井と呼ばれていました。ー



プラスチックの語源


プラスチック(Plastic)とはもともと「形を作る」、「可塑性の」という意味を表す英語で複数形(Plastics)で物質名を表す名詞になります。

又、よく使われるポリ(Poly)という言葉は、「多くの」、「あつまる」の意味があり、反対にモノ(Mono)とは、「単一の」という意味です。


プラスチックの正しい取り扱い方


便利なプラスチックも、その素材の特性のためにおもわぬ弱点をもつ場合もあります。
すべてのプラスチックにあてはまりませんが注意として、以下いくつか書いてみます。

 

  • スプレー型の殺虫剤を直接プラスチックに吹きつけると、プラスチックの表面が溶けて、きたなくなります。照明関係に使われるプラスチックにおこりがちです。
  • 油・酸・アルコール・シンナー等の揮発性のものに弱い、スチロール系のプラスチック
  • 熱に弱いプラスチック。これは熱可塑性樹脂です。
  • 強くこすると、キズがつきやすいのが特徴です。

 

以上の様に、プラスチックは万能ではありません。プラスチックを正しく使って生活に役だててください。



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